石川県金沢市にあるお香の専門店 香舗伽羅
野の草花
今朝の散歩で見つけた秋。
おみなへしは山上憶良が万葉集で詠んだ秋の七草に数えられます。
漢字で書くと「女郎花」女郎は、美しい女性の意味で使われているようです。
諸説ありますが、女性らしい印象に例えられたということです。
オミナエシに対しオトコエシ(男郎花)があるのをご存知ですか?
オミナエシに比べてひと回り大きく丈夫な花姿をしていて白い花を咲かせる植物です。
見た目はオミナエシ(女郎花)と似ていますが白い花ならオトコエシ(男郎花)と見分けられると思います。
兼六園ではみつけられませんでしたが。
香道では、この花をテーマにした組香「女郎花香」があります。
6種類の香木を使ってこの和歌を鑑賞する趣向になっています。
小倉山 峰たちならし 鳴く鹿の 経にけむ秋を 知る人ぞなき 古今和歌集・439 紀貫之
(をぐらやま みねたちならし なくしかの へにけんあきを しるひとぞなき)
折句という技法で歌われています。
(意味)小倉山の峰を歩きまわって鹿が鳴いているが、どのくらいの秋を経てあのように過ごしているのだろうか、もう知っている人はいない。
お香と和歌を連動させ深く楽しく鑑賞するこのような組香はたくさんあります。
組香は聞き当てるのも楽しいのですが、背景や歌い手の心情にせまってみるのも面白味が増すと思います。
ややマニアックな内容になってしまいましたが、季節の変化を五感で感じながら香りを楽しんでもらいたいと思います。
せせらぎ通り商店街にあるお香の専門店 香舗伽羅